2014年11月6日

BMCが金沢21世紀美術館の展覧会に参加!

実はBMCはこの春から、何度もサンダーバードに乗って金沢へ足を運び、金沢のビル調査を行ってきました。その成果がこの111日から始まった金沢21世紀美術館の10周年記念の大規模な建築展、「3.11以後の建築」に展示されています。


金沢というと誰もが武家屋敷跡や町家などの伝統的な木造建築を思い浮かべますが、実は金沢は隠れたビルスポット。いやBMCも実際にその気になって街を見るまで気付かなかったのですが、金沢のビル度はとても高い!コンパクトな街にギュッとビルが詰まっているだけでなく、そのクオリティがやたらと高いのです。

そんな金沢のビルを、美術館が公募で募集した金沢の方と一緒にフィールドワークし、議論を重ねて選りすぐったビル26件を「金沢まちビル調査」と題して紹介、特にこれはというビルにはBMC得意の取材を敢行し、昔の写真やポスターといった貴重な資料も展示しています。

例えば大通りのスクランブル交差点に建つ「北国ビルディング」。
1965年に建てられた8階建のテナントビルですが、有田焼のタイルを貼ったシックな外観と、エッジの効いたデザインといったら!こんなかっこいいビル、大阪でもなかなかお目にかかれません。こんなビルが金沢随一の繁華街に残っている金沢は素晴らしい。
聞けば元々は全国規模の大企業を金沢に迎え入れるために金沢の財界が協力して建てたテナントビルで、かつては社交倶楽部もあったなど、金沢の顔となるべく計画されたビルとのこと。その意気込みは外観だけでなく、大理石をふんだんに使ったエントランスと階段(蹴上げまで大理石貼り!)、各階で異なるタイルを貼ったEVホールなどにもみて取れます。塔屋を間近に見られる屋上ではビアガーデンもやっていて、BMCはせっかく金沢に来たのに魚も食べず、ここで金沢の夜を満喫する始末。




 個人が持っているような小さなビルにも、いいビルがたくさん。特にBMCが強く惹かれたのが、長町の武家屋敷跡の入口で異彩を放つ青木クッキングスクール。金沢の郷土料理研究家として有名な青木悦子さんの自宅兼アトリエで、1971年に建てられました。アールを施した外観は全体に柔らかく、アクセントになっている外階段がかっこいい。設計をしたのは当時独立したばかりの親戚の建築家。外壁には細かい丸い模様が付いているのですが、これは何とエアパッキン、あの「プチプチ」を使って付けたとのこと!
また青木さんの結婚されてから、現在の地位を築くまでのお話がとても興味深く、このビルに込められた思いはもちろん、その半生記はNHKの連続ドラマになりそうなほど。月刊ビルの金沢版をつくりたい!



他にも、これは「何か匂うな」と思って入ってみた喫茶店が、もう金沢の昭和文化のモダンさをそのまま残したような素晴らしい空間だったりと、この調査を通じてBMC全員が金沢を大好きになりました。また、フィールドワークを一緒に行った金沢のチームがとても素晴らしく、ビル愛にあふれていて、今回の展示をきっかけに、金沢から新しい動きが起こるかも、いやきっと起こる(笑)。
展覧会は来年の510日までやっていますし、同時に戦後の日本の建築の最前線を迫力の模型と図面で振り返る「ジャパン・アーキテクツ1945-2010」も同時開催していますので、是非皆さんビルを見に金沢へ。