2010年2月28日

天満のタイル兄弟

こんにちは
暖かくなってきましたね

いつものように街を見上げながら自転車をこいでいると


こんなに仲良く寄り添う 渋ビルの並びを見つけました

どちらも硬派なオールタイル貼り
見事な青と緑のツートンカラーのハンサム兄弟です
ちなみに私は釉薬タイルの
天気によって変わるその気まぐれな表情が好きです

このビルは本当に本当にシンプルですが
ふたつ並ぶとその佇まいもなかなかの迫力
私の写真技術では伝えきれないのがもどかしい...

しかし この余計な装飾のない素っ気なさにこそ
人は心惹かれるものなのでしょうか


見上げるとこんなかんじで


見下ろすとこんなかんじ この密着感

とはいっても
この景色に心躍るのは私がビル好きだからであって
やっぱり戦後ビルの存在は
大正時代の「幻のような夢空間」でもなく
ハイクオリティな「時代の最先端」でもない
その中間にある現実感があります
でも街の景色としてまだまだ「当たり前」の存在の今こそ
できることがたくさんあります

BMCは鉄道広告社に拠点をおいてから
ひとりひとりとの出会いを通して
温かい空気がゆっくりと流れはじめています

ブースを楽しく面白く使ってくれる人がいて
その人に興味を持った人が集まる...
みんながビルに興味がなくても
何かぴんとくる共通点で人が集まっていく
場所になればいいと思います

おビル見をしたくなる あたたかい春はすぐそこです
みなさんぜひビルに遊びにきてくださいね

2010年2月12日

大阪マーチャンダイズ・マート



BMC本部の最寄駅、天満橋のランドマークである大阪マーチャンダイズ・マート(OMMビル)のご紹介。

BMCはOMMが好きです。
一人はtwitterで自分のアイコンにしているくらい。
惹かれる大きな理由は大川に対する佇まいなのでしょう。大阪では川に背を向けて建つ建物が多いなか、北浜からずっと土佐堀川に背中を向けたビルが続いてきて、天満橋のたもと、大川が大きく北へカーブを描いて景色の切り替わるポイントで、ふっとこちらへ顔を開くOMM。今も水都大阪のランドマークのひとつです。

OMM、大阪のビル史上も重要な建物です。
1969年、竹中工務店の設計・施工で建てられました。高さ78m地上22階、ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、当時大阪で最も高層のビルだったそうです。延床面積13万㎡超は西日本一。天満橋の南詰め、大阪城の北西にマンモスビルが誕生したわけです。
このビルは繊維関係を中心とする日本初の大型卸売りセンターとして建設されました。都心部の過密化を解消するため、立体問屋街を構想したわけです。日本に前例がなく、シカゴのマーチャンダイズ・マートを参考に、国内の卸売業を実態調査して設計されました。結果、入居者が馴染みやすいようにと、問屋街の町家の間口や奥行き、店舗数などがそのままフロアプランに再現されたとか。

工事も難工事でした。京阪電鉄の軌道を跨いで建つ立地や、徳川時代の大阪城の石垣が出土したり。壁面の一部が電電公社のマイクロウェーブを遮る電波障害が発覚し、一時は計画変更か?と危ぶまれたのですが、そのときは何と電電公社側がマイクロウェーブの施設を移転して解決を図ったというエピソードも。いかに重要なプロジェクトだったかがわかります。

大阪一の高さを売り物に、屋上庭園「スカイガーデン」と回転展望レストラン「ジャンボ」が設けられました。西に中之島、南に大阪城を望むパノラマは大阪の新名所となり、オープン1年で50万人の人が訪れました。
現在も屋上にはおそろしくシュールな児童遊園と、数年前に回転をやめてリニューアルされた和食の無回転レストラン「楽待庵」があります。
楽待庵は庵治石をふんだんに使った妙に贅沢なインテリア、いつも空いていそうでけっこう穴場です。回転はしないものの眺望もなかなか。



現在、外壁はガラスのカーテンウォールになっていますが、当時は白色のPC版でした。昔のほうがBMC的には好みですが、今もけっこう悪くないです。

2010年2月1日

ビルは見かけによらない

昨日、今年初めのBAR階段室は、
冷たい雨の日曜日なのにたくさんの人があふれ、
あったかくて和やかなムードの夜、ホットウィスキーが進みました。
(社長室ではオセロにUNOで熱狂してた人たちも。)
お越しいただいたみなさん、ありがとうございました。また次回も決まりましたら、こちらのブログで予告しますので、
ぜひ一度いらしてくださいね!

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鉄道広告社ビルの二階で日々を過ごしていると、
なんだかやわらかーい居心地の良さを感じるのですが、
今日ご紹介するビルも、ホッとする空気を肌で感じるビルです。

1950~70年代のビルと一口に言っても
実はいろいろな形があること、みなさん気付いて来たでしょう?

いくつかのシリーズ(流派?)に分けられる中で、
わたしたちがチョコレート型と呼んでいるタイプがあります。窓の角がアールの場合が多いので、
モンド不動産さんのブログにもよく登場します。

この形はプレキャストコンクリートと言う
工場で型に流し込んで作った同じ形のパネルを並べたもので、
板チョコみたいでしょう?
同じ形の『連続美』、みたいなのがウリなので
一見、オシャレでスカしてる印象があるかも…
ですが実はハートは温かいんです!!(中身もクール、なビルもあります)

グレーに塗装改修されて、よりツレない表情を見せるこのビル、
でも一歩足を踏み入れると、上から降り注ぐ陽射しに釣られて、
なんとも静かで美しい階段を見上げ、つい、時間を忘れてしまいます。廊下を包む木調の壁や、かわいらしい柄のガラス、
味のある「湯沸し室」なんていう手書きの文字など
そこにあるどれもがなんだか優しくてカワイイおばあちゃんみたいな雰囲気で、
一瞬、街のど真ん中にいたことを忘れるのです。きれいな音色のガムランベルが鳴り、日当たりのよい階段室。
一番似ているのは、のどかな縁側・・・かなー。ビルの中なのに。毎日こんな空間を通ってオフィスに出入りできたなら、
そこで働くあなたの気分はいつでも和やかにリセットされ、
そこから生まれるものはきっとどこかに優しさが滲むでしょう。

なんて思ってしまうこのビルは、どうやら空室があるみたいですよ。


ビルも人も、見かけが素敵だと中身も素敵ってことは多い。
だけどその印象は決して見かけ通りではなく、
一歩近づけば思いがけない魅力を発見してハッとしたり、
好きになっちゃったりします。

そんな意味で見かけによらないビルを見つけたときの嬉しさは格別です。

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それから冬の夜にビルを語る、こちらもぜひ