2009年4月26日

さよなら新朝日ビル

新朝日ビルの解体工事が始まった。
既に外壁は仮囲いに覆われて、もう二度とこの姿を見ることはできない。


新朝日ビルが大好きだ。
フリーペーパー『月刊島民2号』誌上で
中之島に建つ建築ベスト3を選んだときも、
新朝日ビルをベスト1にあげた。
『断トツのベストワン』と書いた。
同じ誌上で間宮吉彦さんもベスト1に選んでいるし、
僕のまわりにもこの建築が好きだという人が多い。
とても多い。
中之島で一番光ってた、マジで(泣)。


新朝日ビル(解体されてるビルに「新」と付くのも皮肉な話だ)、
何がカッコイイってメタリックに輝くアルミのプレスパネル。
現在でも金属パネルは普通に使われるが、
四角い紙を折ったようなパネルはこの時代に特有のものだ。
未来的というか宇宙的というか、
1958年に現れたメタリックボディは相当斬新だったに違いない。
しかもホテル!


そしてその未来性を更に強調するのが、
過剰にカッコよすぎる塔屋とそびえ立つ鉄塔。
斜体のかかった「asahi」のサインも効いている。
一度で良いからこの塔屋に昇ってみたかった。


そんなメタリックな外観も、
角を曲がればシックなタイル壁に牧歌的なレリーフが踊る。
行動美術協会の共同制作による信楽焼の『牧神、音楽を楽しむの図』。
フェスティバルホールのシンボル的存在だ。
メタリックなパネルと信楽焼のレリーフが
平気な顔してひとつの建物を飾る。
今の目からみれば相容れないようにも感じる対照的な要素、
それを共存させて別に何とも思わなかったその驚きの感覚にこそ、
この時代の建築の魅力を解く鍵が潜んでいるように思う。

合掌。

2009年4月13日

ビルの使い方

古いビルを好きだ好きだと眺めているわたし達ですが、
ただ眺めているだけじゃイヤなんです。

使いたい~!

ビルを見ればどのように使いたいかの妄想、ではなく構想が膨らみ、
いつか車に轢かれるかもしれない、そんな毎日。

例えば最近騒がれていた中央郵便局。


あの建築は、みなさまご存知かどうか、
ビルマニア好みの渋さを備えながらなんと近代建築です
建替えを賛成だの反対だのと聞かれればわたしはそりゃ「使いたいです」
と思う訳です。どんな風にか?


これほど地味でいぶし銀の建築、しかも梅田の駅前という超一等地。
そして全身コレ窓!という形を活かすには、めっちゃ派手に使うしかない!
カジノ?キャバレー?サロン?クラブ?レストラン?
思いつく派手なものを書き並べてみましたが、
その全部を収容した21世紀のレジャービル、
絢爛豪華に全部の窓から光が溢れる様子を想像してください。
行きたくなるでしょ?大都会大阪の格も上がるってもんです。
※註 20世紀のレジャービルの雄と言えば味園
   今もその雰囲気を味わい、往年の煌びやかさを想うことができます。

例えばアルマーニなんかが出店してくれるなら
これくらいバーンと派手なお店にしてほしいですし。
※註 リンクはNYは5thアベニューにできたアルマーニです。

どうでしょう?
誰かコンバージョンレジャービルにどかーんと投資しませんかね?
マネーゲームとかよりドキドキできるし、みんなに喜ばれるし、
なによりすごくカッコイイ投資だと思うのですけれど。


今回のイメージはちょっと派手でしたが、
ビルの雰囲気、立地、規模なんかに合わせて、
住宅にも店舗にももちろんオフィスにも、ホテルにだって、
いろんな風に使いこなせます。
街なかにオフィスばっかりあったってしょうがないしつまらない。
ビルが四角くてつまらないのではなく、
使い方がつまらないだけなのだ!


ところで中央郵便局の西側にも、素晴らしいビルがあります。

艶やかなタイルがこれほど広大な面積で使われている・・・
圧巻ですよ。タイル好きは是非。

2009年4月2日

おビル見開催しました

4月1日、BMC春企画のおビル見を開催しました。
荒れた天候の中、来ていただいてありがとうございました。


まずは堂島のビルの、桜も咲き始めた屋上に集合。


持参のお弁当と、今回作った(ラベルのみ)その名もビルビール。笑
携帯AMラジオをバックにスタート。したものの、
いきなりの雨と風で、なかなかビルに浸る余裕もなく...
来てくださったみなさん、風邪ひいてませんか?

その後は、北新地のビルをぐるぐると見てまわる、ビル散歩。
端から見ると、けっこう怪しい集団だったと思います。我ながら。



多くの方に参加していただいたのに
ツアコンの役目をまったく果たせず、すみません...
でも、みなさんそれぞれが何かを感じていただけていたら嬉しいです。
最後は、第一ビルの喫茶マヅラでゴール。

今回、みなさんと一緒にビルを見て歩くことができて
私達もとても楽しかったです。そしていろいろ勉強にもなりました。






街には、まだまだ現役の素敵なビルがたくさんあります。
こんなすてきなビル達の、愛のない解体を少しでも抑えるべく、
BMCはこれからも楽しい企画をたてていきたいと思います。



参加してくださったみなさん、ありがとうございました!