2009年12月27日

BMC2009回顧05 阪口大介の選択

2009年も残りわずかとなりました、今年もBMCは
あれやこれやとバカ騒ぎ、勢い余ってビルに拠点を置いてしまいました
こうやって楽しめるのもひとえに皆様のおかげです。
いつも遊びに来てくれる方
一緒に楽しいことを企てる方々
色んな人と出会い、笑い、ワクワクした一年でした
本当に楽しかった~

そして2010年はさらに突っ走ります!!
来年もどうぞよろしくお願いします
もっと楽しい年にしちゃいましょう!

回顧シリーズ、最後は阪口大介2009年ビル10選です



 北浜に佇む隠れた名建築「丹平」。
 教会でもなく社寺でもない、ここの会議室は
 静寂と美が空気に交わり、
 今だかつて経験したことのない気持ちにさせられる

 階段室こそビルの真骨頂!
 しなやかな手摺の形状、
 木の壁面、
 経年による床のテリ。
 みんなが通る階段にこそ
 歴々の垢が染み込み、
 ビルを象徴するアジが
 隠されている











 ここの主役は
 一枚一枚が
 側面から見える階段。
 のはずが、
 壁面の六角タイルと
 アーチ状のドア、
 床の渋みが
 織り成すハーモニーが
 この場所を一段と
 格別な世界へ引き上げている










 コリアンエアラインの
 ロゴが青空に映え
 メタリックパネルの壁が
 光を反射する美しさ。
 説明不要の
 ビル美学がここに














 マーブルカラーのタイル、
 六角形のメタリック窓枠に心躍る!
 この重みとグラフィカルな連続から目が離せない



 北浜の名ビル
 「ビルリバーセンター」の1階にはカラーガラスブロックがあった。
 今やこの姿は見れないのが残念。
 階段裏の柔らかな曲線と鮮やかな色合いを見せるガラスブロックが溶け合う。



 ピンとエッジがきいている
 パネルの連続がたまらない!
 ビルを1階で持ち上げることで
 よりインパクトのある外観へと導いている



 渋いということはこういうことでしょう。
 深い緑のタイル、水平連続窓が駆け抜ける。
 異型にも関わらず重くも軽やかな身のこなし。
 もはやアートの領域に!



 外部にこんなにも
 色気のある階段はまずい!
 内部に隠さないと!
 側面、段裏が
 道行く人の面前に
 さらされているでは
 ありませんか!!













10
 名作陶器のようなタイルを背に、
 本当に美しい手摺が映え格別な空気感を醸し出している、
 直線と曲線の融合マジック!

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阪口大介はBAR階段室のマスターです!
不定期ながら営業中。営業日はブログで告知しておりますので
お気軽にお越し下さい

2009年12月26日

BAR階段室

12月23日。世間はクリスマスモードの中、
BMCはバー階段室をほっこりオープンいたしました。


マスターがお客さんにお酒をふるまいます。


サポートメンバーによるお手製カレー鍋!
こんなふうにわいわいと社長室で鍋を囲むなんて、
このビルの先代の社長は想像していたでしょうか。
カレー鍋はあっという間に完売!ごちそうさまでした。

そしてこの日は、夜長堂として活動するBMCメンバー井上タツ子の
本の出版を記念しての、逆サイン会。
乙女心をついた素敵な図案帖に、本を手にするみなさんはクラクラ★
こちらの本は、キオスクでも販売しているので、
よかったらまたご覧くださいね。

真冬の中開催した「バー階段室」。
この季節に階段室なんて、ちょっと寒そう?とお思いでしょうか。
いやいやストーブとホットウィスキー、マスターとのトーク、
みなさんと共に温かい一夜となりました。

寒い中来てくれたみなさん、どうもありがとうございました。

2009年12月20日

BMC2009回顧04 姉崎由美子の選択

おとといは冬至でしたが柚子風呂には入りましたか?
ちょっとだけ寒さが緩んだ昨日、
BAR階段室にたくさんのご来店ありがとうございました。
社長室では社長鍋の湯気、
BAR階段室ではホットウィスキーの湯気が温かい賑やかな夜でした。
次回BAR階段室もまたこちらのブログでお知らせしますネ。

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さて今回は喫茶店がどれだけ好きか、
においては右に出るもののないと噂の
姉崎由美子のベスト10をお送りします。
(最近のライバルはノッポさんらしい)

喫茶店についてはBMC喫茶室で語りまくっておりますので、
こちらではビルの真髄をさらに追求してゆこうという試みです。
まぁとにかくついて来て下さい!

船場センタービル[大阪市中央区本町]:
全長約1kmにも及ぶモンスタービル。
都会でここまで果てしなく見通せる通路はほかになし。

叶ビル[大阪市中央区南船場]:
光に当たって艶めく、
渋くもカラフルなタイルは絶品です

輸出繊維会館[大阪市中央区備後町]:
目眩がするほど圧倒的な、
エントランスのタイル壁!
へばりつきたい。

アールビル[大阪市北区西天満]:
凹凸のない平らな黒タイルの壁面には、
そりゃ青空も見事に映り込みます

ステーキロン[大阪市北区曽根崎新地]:
吸い込まれるような南側エントランス。
エレガントな螺旋階段も素敵すぎます。

中央警察署[大阪市 港区海岸通]:
どことなく船を意識したビル。
しかし、どこまでもクールなのがさすが警察署。敬礼。

鶴野ビル[大阪市北区鶴野町]:
コンパクトかつシンプルでありながら、
敷地に合わせた形状とアール窓が独特の存在感。

西垣ビル[大阪市北区菅原町]:
大川のほとりで控えめに建つ水辺ビル。
薄ピンクの外壁やガラスブロックは、女子ウケ間違いなし!

はつ根ビル[大阪市北区堂島]:
潔くシンプルなコンクリートの壁が、
新地の街にひと際映えます。
拍子抜けするビルの書体もナイス!

象印マホービン大阪支店[大阪市北区天満]:
淡々と整列する窓、窓、窓。
チャーミングな象印マークの部分の設計も◎。

大阪市中央卸売市場 [大阪市福島区野田]
海に沿って、低く、長く、渋ーーーく伸びる、
男前な佇まい。

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姉崎由美子は月曜日にキオスクにいます!
喫茶好きの方はぜひ遊びに来てください!
キオスクは14:00~19:00(月・水~土)に営業中。
土日に営業中の"いまはモロッコ雑貨"屋のnoraさんには
なぜかベトナム雑貨も増殖中。
ギャラリーのhitotoさんは12/27がオープニングパーティー

2009年12月17日

「バー階段室」開店日のお知らせ

12月23日(祝)18:00より

BMCの本部を設けたビルにて、不定期営業ながら
その名の通り階段室がバーとなる夜がやってきます
冬の夜、コートの襟を立て、渋ビル階段室で
ホットウイスキーでもいかがでしょうか?

そしてこの夜、BMCメンバーである
我らが夜長堂井上タツコが満を持して世界に向け
出版した乙女モダン図案帖出版記念会をします!!



乙女柄~ビル柄まで、街から街を旅する行商人井上タツコが
集めたタダモノでない図柄を凝縮した本、これはイイッ!です

「みなさまのおかげで本を出版できるまでになりました(涙)」
という事で、来店者に逆サイン会を予定しています
よろしければサインしてやってください

乙女モダン図案帖のサンプルとなった
布やシャツ、紙の展示もするのでお見逃しなくっ

知らなかったひと、興味のあるひとみなさんとにかく集まれ!
この日は特別に社長室も開放しての営業
社長気分でグラスをかたむけるもよし

ビルのバーで新しい何かが待っている!!




BAR階段室 :大阪市北区天満3-6-3鉄道広告社ビル2階
12月23日 18:00~
ドリンク300円~

ご来店お待ちしています

2009年12月9日

BMC2009回顧03 高岡伸一の選択

回を重ねてまいりましたそれぞれの選択シリーズ。
いよいよ今週はBMCが誇るビル学者、高岡伸一の登場です!

NTTの前身である日本電電公社のビルを愛するがゆえに、
そしてあまりにも熱くテラゾーの美しさを語るがゆえに、
電電テラゾーの異名を取るこの男が今回は電電以外で選びました。
テーマはカドマル(角が丸いサッシのビル)。

どれも一緒に見えるというそこのあなた!
騙されたと思って一枚5分ずつじっくり眺めてください。
そうすれば師走の街が明日から違った景色に見えてきます。













本町ビルディング(1961)設計:日建設計
大阪市内の代表的カドマル窓ビル。
2階に植木茂作のレリーフ、
見えにくいけど塔屋には今井兼次のフェニックス・モザイクとゴージャス。













船場センタービル(1970)設計:日建設計+大建設計
上空に高速道路、地下に地下鉄、そりゃビルもカドマルになるでしょうよ。
1kmにおよぶカドマル窓の反復は圧巻。アルミサッシは昭和鋼機製。













大阪証券会館(1964)設計:大林組
ミシュランから星をもらった高級料亭もカドマル窓。
外壁はイタリア産トラバーチン張だ。













額田ビルディング
間口の狭いスモールビルではカドマルはこうなるの見本。
近未来的デンタルクリニックの院長先生は画家でもあるらしい。













大阪朝日生命館(1961)設計:竹中工務店
「金色のアルミと機能的な角丸のサッシ」と設計者が解説。
何と車輌用のサッシをそのまま採用。
ナニワ工機製車輌用(隅R式)アルミサッシ。













旧・東洋工業大阪支社ビル(1964)設計:竹中工務店
元はマツダの支社で1階はショールーム。
と聞けばあ〜なるほどのオールステンレス製ボディ。
カドマルアルミサッシは東京カーテンウォール工業製。













イヨ森藤ビル(1965)設計:清水建設
これは珍しい出窓タイプのカドマル窓。
しかもステンレス巻きと贅沢な仕上げ。
絞ったアールの感じがいかにも未来的。













輸出繊維会館(1960)設計:村野・森建築事務所
言わずとしれた村野藤吾作。
1960年の時点で既にカドマル窓とはさすが村野さん。
外壁はイタリア産のトラバーチン。中もすごいんだから。













森田ビルディング(1962)設計:村野・森建築事務所
これも村野さん。ビミョーにカドマル。
今度は一転黒光りする外壁。カドマルの限界に挑戦か?













旧・ホテルプラザ(1969)設計:大成建設
巨大な壁面に散りばめられたカドマル窓のダンス。
不二サッシ工業製のアルキャストパネルのカーテンウォール。
よくみると六角形の模様が。
なぜか現在は大塚家具(泣)。

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高岡伸一は水曜日にキオスクにいます!
キオスクは14:00~19:00(月・水~土)に営業中。
土日は"いまはモロッコ雑貨"屋のnoraさんが営業中ですし、
年内にはhitotoさんというギャラリーもオープン予定です。
どんどん賑わってきました。皆さんお立ち寄り下さいね。

2009年12月2日

BMC2009回顧02 岩田雅希の選択

もはや師走。冬の青空にビルが映える季節ですネ。

先日、鉄道広告社の社長室にて、東西ビル界の大御所をゲストに招き、壮絶なビル談義を繰り広げました。東はドコノモン100選でおなじみ、倉方俊輔氏。西は2005年に早くも雑誌「大阪人」にて『戦後建築』なる特集を発信していた酒井一光氏。
我々BMCが用意したビル画像やビル映像、ゲスト提供の建築写真を肴に社長室で熱狂の酒盛りとなりました。

そんな師走のBMC。シリーズ第二弾は岩田雅希の選択。
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1.名もないビル[中央区石町(こくまち)]
坂道の下にひっそりある小さなビルの、
渋色タイルとアルミパネルの組合せに、
渋ビルの滋味をしみじみと感じます。








2.荒川トロフィー[西区江戸堀]
土佐堀通の鋭く尖がった小さなビル。
濃紺のタイルと淡青のガラスのストライプを、
縦のアルミパネルがキッと引き締める姿に
背筋が伸びます。







3.利昌工業[北区堂島]
大正創業の電子材料メーカー本社ビル。
手焼きのような不揃いで温かみのあるタイル壁と
開口のバランスにアクセントの鋲が
なんだかニクいお洒落上手。






4.モリトビル[中央区南本町]
世界にネットワークを持つ服飾資材会社の
御堂筋に面した堂々たる本社ビル。
何度でも見惚れてしまう
白タイルとステンレス窓の上品な未来志向。







5.柳湖堂ビル[中央区高麗橋]
角を切った形のビルには
素敵なのが多いですが、
このグリーンとこのベージュのタイルを
こんなに巧妙な手口で組み合せる手練、
デザインの職人技。






6.中島ビル[北区堂山町]
すごく地味なビルですが、
凹凸のある珍しいタイルに
細かいモザイクと紅色の塗装の帯を合わせ、
素敵な女将さんの着物の半襟みたいな
着こなしぶりです。






7.綿業会館新館[中央区備後町]
近代建築の雄、綿業会館の新館として
一見ひと続きのように見えながら、
実は凄さの種類が違うこのビルは
見上げる程に見所多く、
塔屋は必見です。






8.山田マンション[中央区十二軒町]
黒い小口タイルにテーパーを効かせ、
中央にアルミパネル、
手摺りはスチールという
完成度の高い設計が賃貸マンションに。
何と言う贅沢。




9.上町ハイツ[場所思い出せない]
ふとつき当たりにこのビルが現れた瞬間、
かわいくてほしくなってしまいました。
白い壁に黄色のタイルと小窓、
ロゴはつんとした「上」に注目。







10.阪口ビル[北区堂島]
新地のビルだから窓がほとんどなく、
こくのあるグリーンの壁が存在感あり。
ちょっと赤い屋根を掛け、
隣に臙脂のモザイクを合せるとは、
さすが大人の街。






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岩田雅希は金曜日と土曜日にキオスクにいます!
キオスクは14:00~19:00(月・水~土)に営業中。
ビルマニアメンバーの視線で選んだ雑貨や小物、金物を販売しています。
ぜひお立ち寄り下さい!

2009年11月26日

BMC2009回顧01 井上タツ子の選択

BMC2009から早くもひと月近く経ちました。
キオスクもオープンし、BMC本部としての日常が少しずつ始まっています。

BMC2009当日に、メンバーが各々のビル愛によって厳選したビル写真を10枚ずつ見ていただきましたが、年末にかけてそれぞれの選択を回顧してみたいと思います。

今日は夜長堂、井上タツ子の選択。
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1.「グリル東洋軒」
玉造の駅前にあります。
店構えから気になってましたが中に一歩入るとタイル好きにはたまらない光景が広がってます。




2.「神戸ノスタルジアビル」
名前を忘れたので名前は勝手に付けました。この行為もマイブームにします。
神戸の中華街の路地裏ビル。タイルとポストの色合いがたまりませんでした。入り口エントランス奥までずっと素敵なタイル景が続きます。

3.東京・四ッ谷三丁目にある四ッ谷消防署です。
東京で一目惚れしました!
ダンディズムそのものでした。








4.続いて東京の四ッ谷消防署アップです。
5階までは消防博物館です。










5.ビィンテージマンションの代表!東京のビラビアンカ。1964年東京オリンピックの頃に建てられました。





6.大阪の木津市場前にある
クボタ関連の建物らしきビルです。かなり大きいのに地味な場所に建ってるので気がつきにくいですがかなりクールです。




7.ビルマニアのイベントでもよく紹介されているキャバレーユニバースに併設されているホテル味園です。
3人部屋はオススメです。誕生日会などに私は使ってます。是非味園活用してください!



8.薬業年金会館は昭和52年頃に建てられたビルで谷町六丁目4番出口出たところすぐにあります。
館内の椅子のセンスがかなり良く、壁に飾られた猪熊弦一郎の絵も素敵です。




9.続いて薬業年金会館です。椅子や床の表情を見て回るだけでも飽きません。
隣のレストランと繋がってるのでランチなんかを食べた後に食後のビルというのはどうでしょうか?








10.香川県庁東館は設計が丹下健三氏でロビーにはモダンビルとの関係が濃厚な猪熊弦一郎氏の陶板作品「和敬清寂」や、剣持勇氏の長椅子、丹下健三氏のスツール、新聞掛け、書類棚、机もあります。


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井上タツ子は木曜日にキオスクにいます!
14:00~19:00(月・水~土)に営業してますのでぜひいらしてください。