2008年12月26日

薬業年金会館

以前用事があって薬業年金会館に出かける事になりました。

谷町6丁目の4番出口上がってすぐ。
はじめてビルを見た印象はとても地味な感じ。

ところが中に入ると右手に
すぐ背もたれ部分がかなり縦長のかっこいい椅子が2客。


かなりくせ者のデザインの椅子に驚いていると
今度は左手階段付近に猪熊弦一郎の作品が飾られています。

猪熊作品が飾られているともうこれは何かがきっとあるはず!

その予感的中で、
待ち合いスペスの至る所の椅子たちのデザインが超モダンです。


椅子を眺めているだけでテンションはあがりますが、
床のデザインもかなり素敵。


まだまだ色々謎と魅惑のデザインを秘めた
薬業年金会館に夢中の今日この頃。

普段は企業や一般の人たちの会合などに使われる
多目的コミュニケーションスペースらしいです。
少人数にも対応できる部屋もあるらしいです。
(会議室等はシンプルです)

昭和52年頃に建てられたビルらしく、
ビルマニアが注目する他のビル達同様、
ルックスは地味、でも中身は憎い演出が至る所にある
注目のクールモダンなビルです。

隣のレストランとつながっているので
食事の後にさりげに椅子見学も今度もっとしたいです。

----------------------------------------------
※関西で読売新聞を購読されているみなさま
 「読売ライフ」2009年1月号に、
 『リタイアさせない昔のビル』という特集で
 ビルマニアカフェ2008を掲載していただきました。

2008年12月16日

北区の渋ビル

3年ほど前から目を付けている北区のこのビル
スモーキーな色気がなんともいえないのです



釉薬タイルがたっぷり施された外壁があまりにもカッコイイ!
側面の縁取られた枠の下に覗くスモークがかったガラス窓
渋いグラサン、コートの襟を立てて、くわえタバコが似合う
実にハードボイルドなビルであります



モダニズムを強く感じるエントランス
柱の模様となっている板目型枠の跡がこの時代の美的センスを象徴しています



ここに登場するタイルは3種類あります
外壁には深いグリーン、エントランスにはエメラルドグリーン
そしてホール内は一変して白が使われています
このコントラストがまた綺麗でハートをわし掴み!なわけです



このビルを設計した人はわかりませんが、街中には名も知らない設計者や
工務店が見よう見まねで作った建物が多くあり
洗練されてはいないけれども、どうしても外にはみ出してしまう魅力があるのです
これは高度経済成長という時代の空気が醸し出すパワーなのか??




最後に正面からどーん!存在感と渋さは渡哲也級!
このビルがアパート化できればそれはそれはステキだと思う今日この頃

2008年12月8日

ビル自慢大会開催

ダイビルの喫茶「大大阪」で好評開催中の回顧展ですが、2日に記念イベント「ビル自慢大会」を開催しました。それぞれが自慢のビル写真を持ち寄り、その素晴らしさを披露するという何ともマニアックな企画。10名ほどの方にお集まりいただき、時の経つのを忘れて(気が付いたら3時間もひたすら「ビル」を肴に盛り上がっていた・・・)戦後ビルの尽きせぬ魅力をあらためて確認しました。

写真はそのときの様子。


ビル柄の着物(アンティーク)が登場して場内騒然。


当日会場で自慢されたビルをひとつご紹介。


会場となったダイビルのほど近く、堂島に建っているNTTデータ堂島ビル。
1974年竣工と大阪では古株の超高層ビルですが、極私的には今でも大阪の超高層ビルNo.1はこのビルです。
さすがに背の高さでは若いモンに遠く及びませんが、全身をプロフィリットガラスが包んだクールな佇まいといったらありません。
現在はどうもデータセンターとして使われていて、夜になっても一部に照明が付くだけなのですが、もしビル全体が光ったらと想像すると・・・。クリスマスだけでも記念点灯とか、やりませんかNTTさん。


高層ビルは遠目にも美しいですが、このビルは足元廻りもとても魅力的。
時代は74年、まだ万博の余韻が漂う頃。EXPO的デザインがあちらこちらで感じられます。



一言に「戦後ビル」と言ってもその好みは千差万別。
小さなビルの微妙なアールに萌える人がいたり、
タイルの風合いにこだわる人がいたり。
最近、「ビルは友を呼ぶ」という格言が生まれました(笑)。
輪はこれからもっと広がりそうな予感です。